ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

MARIA COLE

kuiren

KAPP/KL-102/MARIA COLE/A GIRL THEY CALL MARIA/10inch

本アルバムのシンガー“マリア・コール”は皆さんよくご存知のナット・キング・コールの2番目の奥さんでナタリー・コールの母親です。彼女は1922年ボストン生まれで、MARIA ELLINGTONが旧姓ですがDUKE ELLINGTONとは関係ありません。彼女は長じてビッグバンド・シンガーとして活動していました。ナット・キング・コールは大変な野球ファンでロスのドジャースのボックス席をずっとキープしていたそうですが、ロス滞在中のナイトクラブで彼女と出会い結婚に至ったわけです。彼女の両親は彼が“黒すぎる”という理由で反対したのですが彼等は結婚に踏み切りナタリーとキャロラインの二人の娘が誕生し、その後も男子に恵まれました(何人かは忘れました)。余談ですが彼女の夫のコールは1956年、白人優勢主義者によってステージでライブ中に襲撃もされていますから、当時の差別というのは今では想像もできないような過激なものだったんでしょう。
本アルバムはマリア・コールのアルバムの中でも初期のアルバムだと思いますが、僕にはファースト・アルバムだとかは確認できませんが結婚後のアルバムであるのは間違いないようですから, 1950年台にレコーディングされたと推察しています。このジャケットの彼女の写真はあまり美人とは言い難い感じを受けるのですが鼻筋とかナタリーコールに受け継がれているようです。ジャケット全体の色が赤っぽいのも彼女にとっては逆効果になっているかなと思います。
彼女のボーカルですがどことなくキング・コールに似ているところが感じられる僕です。やや低い声であまり力ず軽く柔らかく歌っているところが女キング・コールという印象を受けるのですが如何でしょうか。本アルバムのバックの演奏者はライナー・ノートに書かれていないので僕には判りませんが、ギターとピアノ、ベースを主とした編成にオーケストラのストリングが加わっています。僕のお気に入りはA-1のIT'S THE TALK OF THE TOWNやA-3のDARN THAT DREAMはしっとりと聴けます。B-1のTHERE MUST BE A WAYあたりも悪くありません。このアルバムを通して歌い口はしっとりと静かに歌われていて同じ曲調に思えるのがこのアルバムの唯一の難です、調子の違う曲を合間に入れれば変化が出てもっとよかったのにと、選曲とアレンジに対して残念に思えるところもあります。でもこの特徴がないのが彼女の特徴なのかも知れません。ジャケット裏の曲紹介と実際の収録順が全然違いますが、これも結構あることで別に気になりません。

収録曲
A面
1, IT'S THE TALK OF THE TOWN
2, I WENT OUT OF MY WAY
3, DARN THAT DREAM
4, I SEE YOUR FACE BEFORE ME
B面
1, THERE MUST BE A WAY
2, REMIND ME
3, DO YOU KNOW WHY
4, HERE'S THAT RAINY DAY