ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

ソウルの女王ジャズを歌う?

kuiren

COLUMBIA/CL1612/ARETHA FRANKLIN/WITH THE RAY BRYANT TRIO/

アレサ・フランクリンといえば記憶に新しいところでは今年の1月にオバマ大統領の就任式式典で歌うという栄誉を得たシンガーですが、僕にとっては高校生の頃にオーティス・レディングと並んでソウル・シンガーとして当時から双璧の存在でした。レディングの“ドック・オブ・ザ・ベイ”とアレサの"明日にかける橋”はどちらも印象に残っている曲です。日本でもラジオの深夜放送ではよく曲が流れていました。レディングの“ドック・オブ・ザ・ベイ”は今で言うクラブ(昔はディスコと称してしたものですが)でもよくかけられていたように思います。アレサのアーシーで魂を鷲掴みにされるような歌い方にFMラジオで聴き入っていたものです。
          
本アルバムはそういうどんな曲を歌っても立派なソウルになってしまうアレサがレイ・ブライアント・トリオを歌伴にしてジャズ(?)も歌ったアルバムです。1960年と1961年に録音され1961年に発売になった本アルバムですが、彼女のLPとしては2枚目のアルバムとなります。当時の彼女は18歳という事になりますが、すでに風格ある歌い口をしていることに驚かされます。アレサは当初はこのCOLUMBIAからアルバムを出したのですが、それは成功とは言えず後の'67年にアトランティックに移ってから人気が出たわけです。本アルバムは当時のCOLUMBIAがポップ&ジャズ・シンガーとして売り出そうとして企画したアルバムらしく, あまり受けず裏目に出たんでしょうね。いま聴けば決して悪くないアルバムなんですが。
          
ピアノ伴奏は主にはレイ・ブライアントですがアレサ自身も数曲でピアノを弾き語りしています。収録曲の内容ですが、WON'T BE LONGはアップテンポでソウルの味わいの方が強いかなという1曲、OVER THE RAINBOWが本アルバムでの一番の聴きものでアレサの伸びのあるボーカルでスローテンポで前半は抑えながら歌っています、後半はますます伸びやかにゴスペル的味わいも感じられます、僕のお気に入りの1曲です。LOVE IS THE ONLY THINGSとSWEET LOVERあたりはソウルの味わいの方が勝っているようです。WHO NEEDS YOU?/ARE YOU SURE/MAYBE I'M A FOOLの3曲ではアレサ自身がピアノを弾いています。続いてのお気に入りであるRIGHT NOWはアレサの持ち味が存分に味わえる佳曲ではないでしょうか。ARE YOU SURE/MAYBE I'M A FOOL/IT AIN'T NECESSARILY SOあたりはどう聴いてもソウルの女王が歌った曲となっています。BY MYSELFはアレサ節が再び炸裂していますが, こういう彼女ならではのBY MYSELFも良いですよ。最近はニッキ・パロットのようにあっさりとした歌い口が好まれる時代のように思えますが、たまにはアレサのように個性が強く味が濃いボーカルを聴くのもいいもんですね。

収録曲A面/1, WON'T BE LONG/2, OVER THE RAINBOW/3, LOVE IS THE ONLY THING/4, SWEET LOVER/5, ALL NIGHT LONG/6, WHO NEED YOU?/ B面/1, RIGHT NOW/2, ARE YOU SURE/3, MAYBE I'M FOOL/4, IT'S AIN'T NECESSARILY SO/5, BY MYSELF/6, TOAY I SING THE BLUES/